4 Posts

保障内容を正確に把握している契約者が少ないという現状

バブル崩壊以降、あらゆる金融商品において利回り面での魅力が薄れたため、「貯蓄」という概今字-もっと幅広くとらえ、利回り以外でのHソントクH を厳しくチェックしようという気運が高まりました。

金利が急低下したときは住宅ローンの借り換えを多くの債務者が利用し、円高のときには外貨預金・外貨建債券の購入が脚光を浴ぴるなど、一種の社会現象の様相を呈していました。ところがこうした「流行モノ」 とは一線を画し、バブル崩壊から現在に至るまで、一貫して人々の高い関心を集めてきたものがあります。

それが「生命保険契約の見直し」です。もちろん生命保険は世帯加入率が何%にも達しており、住宅ロlンや外貨預金・外貨建債券に関係している方に比べて、絶対数からして桁違いですから当然という見方もできます。

ですがそもそも「生命保険を見直そう」とか、「本当にいまの保障のままでいいのだろうか」という契約者が少なくないという現在の状況は、いかに生命保険に加入している契約者自身が保障内容を正確に理解していないかを如実に示しています。

この原因には、生命保険の仕組みが、皆さんが思っているほど複雑でないにもかかわらず、まだあまり理解されていないこと、それに「何が最適な保険か」を一概に決めつけられないというところにありそうです。最適な生命保険の種類や、最適な死亡保険金額は、当然個人の生活背景によってまちまちですから、万人に共通したH正しい保険H などといったものはありません。とはいえ、専門家からズパリひとつの正解を示してもらえないじれったさが、余計に生命保険は復雑だという印象を、契約者に与えているのでしょう。

生命保険差の安全性を見直す

平成9年4月に起きた日産生命の破綻は、生命保険に対する契約者の方々の漠然とした不安感に、さらに拍車をかけました。生命保険会社の場合は、数万1数百万人もの契約者から、保険料が毎月払い込まれるわけですから、日産生命にしても保険金・年金の給付や借入金の返済、各種事務経費や従業員への給与の支払いなどに、さしあたって不自由していたわけではありません。

それがなぜ、大蔵省の「業務停止命令」によって強制的に営業を停止されたのかというと、日産生命はすでに巨額の損失(最終的に3029億円といわれる)を抱えていました。しかもこの先も毎年約300億円もの赤字が発生する見込みがあり、これ以上営業を続けても、20もはや経営を立て直すことができないと判断されたために、業務停止命令が下ったのです。

しかし契約者にとっては「生命保険会社はつぶれない」という神話が崩され、しかも預金とは異なり、破綻した生命保険会社の契約は保険金・年金・解約返戻金が削減されるというのですから大変です。契約者自身が、今後、保障内容もさることながら、「保険会社の経営は大丈夫かどうか」という観点からも生命保険を見直す必要に追られているわけです。

保険相談 保険の窓口

保険に一度加入すると、契約の取り消しはできないのでしょうか。そんなことはありません。保険料を支払った後でも、契約の取り消しができるのが「クーリング・オフ」制度です。

クーリング・オフは、「契約申込撤回請求権」と訳されています。契約を交わした後、その契約内容を検討する期間を一定期間おき、その期間内に申し込みの撤回を行えば契約を取り消すことができます。

保険の契約の場合、一回目の保険料を支払ってから八日以内(保険料支払日を含む)に、契約の撤回を保険会社に申し込めば、契約は取り消されます。その場合の手続きは、ハガキか封書で行います。契約者の住所、氏名、被保険者の氏名、領収書番号、申し込みを撤回する旨を書面に記入し、捺印します。

生命保険の保険料は、どのくらいの死亡者が出るかなど、保険料を算定するいくつかの要素をもとに計算します。生命保険料は、保険の種類、加入年齢、保障内容が同じであれば、どの会社の保険料もほとんど同じです。

これは、保険料を算定する要素が同じだからです。保険料を算定する要素には、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業比率」の三つがあります。のちに支払われるべき保険金の必要額は、過去の死亡統計をもとに将来の性別・年齢別の死亡者数を予測したうえで計算されます。

その計算に用いられる死亡率を予定死亡率といいます。保険会社は、契約者から預かった保険料の一部を将来の保険金支払いに備えて積み立てて運用していきます。運用して得た利益は、保険加入者のものです。

そこで、保険会社はあらかじめ一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引いています。この保険料を運用する際の運用利回りのことを、予定利率とよんでいます。

予定事業比率とは、保険契約の募集や、保険料の集金、契約の安全管理など、保険会社が保険事業を運営していくうえで必要な諸経費の見積額のことです。

契約者から受け取る保険料と、将来支出するであろう保険金や諸経費の合計が等しくなるように保険料を見積もっています。保険料(収入)と保険金や諸経費(支出)が等しくなるように保険料を決めることを「収支相当の原則」といいます。これは、保険事業の大原則です。

ビッグバンによって保険料が会社ごとに違ってくるようになりました。海外から割安の新商品が続々登場しているので、どの保険が一番自分に適しているか、よく考えて加入しましょう。

海外の商品は保険料が安くて注目されていますが、それは健康診断が厳しいからです。病歴はもちろんのこと、視覚、聴覚も徹底的に検査され、血液検査まで行います。つまり、健康な人しか入れないということです。

養老保険と比較して、掛金がかなり安いのが目立ちます。支払い保険料の累計額をみれば一目瞭然です。養老保険の場合は総額945万6000円の支払いですが、共済では55万2000円のみでいいのです。

さて、ここで重要なのが、あなたに貯蓄への意志が強くあるとして、という前提で考えた場合です。万が一、死亡した時の受取金は、掛け捨ての共済保障のほうがぐんと多くなります。当然でしょう。

1000万円の保障の上に、月々の差額が蓄えられているのですから。一方、養老保険の「死亡時受取金額」は1000万円のままです。

でも、養老保険には「貯蓄の代わりになる」という考えがあり、毎月保険料を支払っていけば満期の時に、掛けた保険料総額よりも多くの「満期保険金額」が受け取れる、すなわち945万6000円支払って1000万円戻ってくるから54万4000円増えると考えられます(加入時の年齢が上がると逆転します)。しかしここでよく考えてみる必要があります。養老と掛け捨ての差額を計算してみましょう。

10年間の差額が毎月3万7700円、その後の10年間の差額が毎月3万6500円となると、掛け捨ての場合、890万4000円を貯蓄することができます。そのうえ、これは20年間の途中、ずっと手元にあるお金です。

もし緊急事があれば使用できるものです。また、あなたが養老保険なみに2%で運用しつづけたとすれば、1100万円を超える額にもなります。私の判断は、勝ち負けでいえば、掛け捨ての勝ちとなりますが、それぞれの方で性質は異なるわけですから、ご自分での判断にゆだねます。

ただ一点申しあげたいことは、これからは保険と貯蓄をセットで考えるのはやめたほうがよいだろうということなのです。

さてここで、利用者がはまりやすい大きな落とはでもある「下取り転換制度」についてお話ししましょう。

すでに外務員の勧めによって「下取り転換Jをされてしまった場合は、残念ですが仕方がありません。しかし今後、もし「下取り転換Jを勧められた場合、決してこの制度を利用してはいけません。

そもそも本来ならば保険は「掛け捨て」で充分だと思うのですが、保険会社の利益と都合のために養老保険や終身保険を勧められるケースが多いものです。そして、それに加入したところ、数年後には「この保険を下取りして、もっと保障の大きいものにしておきませんか?Jと勧められることがあります。これがいわゆる「下取り転換」です。

イメージとしては車の下取りのような感じで、古く時代に合わなくなったものを最新型に買い替えるような印象ですが、じつは保険契約者のメリットはゼロ。むしろ保険会社のための制度といってもいいくらいです。下取り転換をするくらいならば、新たに他の保険に入ったほうがよっぽど賢い方法と思います。

たとえば年収が500万円の家庭があったとすると、加入している死亡保険金額は平均で2745万円に設定されているということです。

死亡保険金額で比較すると、アメリカやカナダは所得の約2倍、イギリスやドイツに至っては国民所得額と同額ぐらいの死亡保険金額に加入しているだけです。

年収の5倍以上の額に加入している日本人の姿というのは、諸外国と比較して、異様としか言いようがありません。なぜ、このような結果になってしまったのでしょうか?

1.年収500万円の家庭で、平均5倍・2700万円超の死亡保険金に加入

2.アメリカ・カナダは年収分の2倍、イギリス・ドイツは年収分くらいにすぎません

生命保険好きの日本は、アメリカの策略だった?

大切なポイントなので向生命保闘における戦後の歴史を振り返ってみることにしましょう。それは敗戦と共に始まりました。荒廃した日本に対してアメリカ駐留軍総司令官(GHQ) のマッカーサーは「復興jを目的に、いろいろな施策を実行しました。その中に「生命保険の普及」がありました。

その目的の一つに、敗戦と共に多くの戦争未亡人が生まれたことがあげられます。母親が子供たちを食べさせるために「収入を得る職場」として生命保険の外務員制度が発足したともいわれています。

固としても復興資金を生み出すために、生命保険や簡易保険の保険料・掛金の運用に国債を充てさせ、膨大な復興資金の一部を調達したのです。当時、食うや食わずの状態ですから、掛け捨ての定期保険が売れるはずはありません。

たとえ今、苦しくとも毎月保険料を支払っていけば、満期の10年後に掛けた保険料総額よりも多くの金額が受け取れるということで、「養老保険jを中心に販売されていきました。

そこには、この保険ならば貯蓄代わりになるし、満期になるまでに万が一のことがあっても「死亡保険金」が受け取れるという一種の安心感のようなものがありました。時代的にも、そのような希望と安心感を多くの人は求めたのです。そこで保険に入る人が増えました。

しかし、庶民には見えない落とし穴があったのです。インフレです。喜んで満期を迎えても、10年前に100万円で買えたものが、物価の値上がりで、もはや買えない状態になっていました。

逆に、国の借金である国債は、償還期(返済期)が来ても10年前の額面ですむために、国家財政上は大きなプラスとなりました。つまり、国民には得るものがなくても、国は得をする施策だったわけです。

マッカーサーは、この経済変化を織り込み済みで、庶民へ生命保険の普及を施策実行したともいわれています。